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2026/07/14

経営計画を達成できない5つの原因|OODAループで計画を行動に変える

経営計画が達成できなくて困る組織の図

先生。
経営計画を策定して、新しい取り組みを始めたのですが、社員が思ったように動いてくれません。
経営計画の未達は確実な状況で、次回そのような状態にならないために、なんとかしたいのですが・・

経営計画と社員の日々の行動がつながっていますか?

そこがつながっていないと、社員はどう動いてよいか分かりません。

そこまで考えていませんでした!

それに最近、経営計画策定当初から経営環境が激変して、計画や重点課題が陳腐化している気がするのですよね・・。

今は世界の変化のスピードが速いですからね。
変化の速い状況において、結果を出すためのフレームワークにOODAループがあります。

変化の速い時代の経営計画達成はOODAループで実現しましょう。

「経営計画を作ったのに、計画どおりに進まない」

「社員に説明したはずなのに、行動が変わらない」

「気づけば、計画を意識しているのは自分だけ」

このような悩みを抱える中小企業経営者は、少なくありません。

経営計画を達成できない主な原因は、社員のやる気や能力の不足ではありません。

多くの場合、経営計画と日々の経営判断をつなぐ仕組みがないことが原因です。

経営計画は、完成度の高いものを作れば達成できるわけではありません。

市場や顧客の変化を観察し、その意味を考え、次の一手を決める必要があります。

そこで役立つのが、OODAループです。

OODAループとは、状況を観察し、意味を考え、意思決定し、行動する流れを繰り返す方法です。

変化が速く、正解が分かりにくい現代では、最初に決めた計画を守り続けるより、状況に合わせて判断を変える力が重要です。

この記事では、経営計画を達成できない5つの原因と、OODAループを使って計画を実行に変える方法を、分かりやすく解説します。

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経営計画を作っただけでは達成できない

経営計画とは、会社が将来どのような姿を目指し、そのために何をするかを決めたものです。

例えば、次のような内容を決めます。

・3年後の売上と利益
・重点的に伸ばす商品や事業
・新たに獲得したい顧客採用や社員育成の方針
・今年取り組む重要課題

経営計画を作ることは重要です。

しかし、計画を作ることと、計画を達成することは別の仕事です。

旅行に例えると、経営計画は目的地と大まかな道順を決めた状態です。
出発時に決めた道順が、最後まで最適とは限りません。

道路が渋滞していたり、通行止めになったりすれば、現在地を確認して別の道を選ぶ必要があります。

経営も同じです。

顧客の要望、競合の動き、原材料価格、採用状況、技術などは変化します。

経営計画を達成するには、当初の計画を確認するだけでなく、変化を捉えて経営判断を修正する仕組みが必要です。

経営計画を達成できない5つの原因

1.目標が売上や利益だけになっている

「売上1億円を達成する」

「利益を1,000万円にする」

経営上、このような数値目標は必要です。

しかし、数字だけでは、社員は何をすればよいか分かりません。

売上を増やすには、商談を増やす、既存顧客への提案回数を増やす、平均単価を上げるなどの行動が必要です。

さらに、実際の顧客が何を求めているのかを観察しなければ、効果的な行動は選べません。

結果の数字だけでなく、顧客や現場の変化、社員の成長を確かめる目標も定めましょう。

2.重要課題が多すぎる

経営計画を作ると、営業強化、採用、社員教育、商品開発、業務改善など、会社には多くの課題があることが分かります。
しかし、人と時間が限られている中小企業が、すべてを同時に進めることは困難です。

取り組む課題が多すぎると、社員は何を優先すればよいか分からなくなります。
その結果、目の前の日常業務が優先され、経営計画は後回しになります。

まずは、今後3か月で特に重要な課題を1~3個に絞りましょう。

そのうえで、状況が変わった場合に優先順位を見直せるようにします。

3.会社の目標が社員の目標につながっていない

会社の目標を伝えただけでは、社員は日々の仕事で何を判断すればよいか分かりません。

例えば、会社の目標が「新規顧客を30社増やす」だったとします。

営業担当者は商談を増やす必要があります。
しかし、事務担当者や製造担当者は、自分の仕事と目標の関係が見えにくいでしょう。

会社の目標を、部門の目標や担当者の行動へ落とし込むことが必要です。

日本ではあまり意識されていませんが、部門の目標へと落とし込む前に、その目標に対して部門が果たすべき責任を決めることが重要です。

目標に対する責任が明確でないと、会社の目標と部門の目標につながりができなかったり、部門目標に対する行動がずれることがあります。

部門目標を決める前に、会社目標に対する部門の責任について話しあいましょう。

4.現場の変化を確認する機会がない

数年に一度経営計画を作り、1年に1回結果を確認するだけでは、途中で起きた変化に対応できません。

売上の数字だけでなく、顧客の反応や社員が感じた問題も確認する必要があります。

例えば、次の4点を毎週または毎月確認します。

・今回の打ち手で顧客にどんな変化があったか
・その変化は自社にどのような影響を与えるか
・今の課題は何で、解決策はなにか
・誰がいつまでに行動するか

現場で得た情報が経営層まで届かなければ、経営判断は過去の情報に基づくものになります。

経営層が広い視点で判断するためには、現場の小さな変化を吸い上げる仕組みも必要です。

5.一度決めた計画を変えてはいけないと思っている

経営計画を変更すると、「最初の計画が間違っていた」と感じる経営者もいます。

計画を作った時点では、未来の状況をすべて知ることはできません。
実行して初めて、顧客の反応、自社の本当の強み、予想外の問題が見えてきます。

計画の変更は、必ずしも失敗ではありません。
新しく得た情報を基に、より良い方法へ変えるヒントです。

会社が目指す方向まで変える必要はありません。
経営理念やビジョンといった目的は維持しながら、目的へ向かう方法や資源配分を柔軟に変えましょう。

OODAループとは、変化を見ながら判断する方法

OODAループは、「ウーダループ」と読みます。

次の4つの英単語の頭文字からつくられています。

・Observe:観察する
・Orient:どう行動するか判断する
・Decide:意思決定する
・Act:行動する

4つの段階を一度行って終わるのではありません。

行動によって得た新しい情報を再び観察し、次の判断につなげます。

この繰り返しを表すため、この記事では「OODA」ではなく「OODAループ」と表記します。

Observe:経営環境を観察する

経営層は、会社全体に影響する情報を広く観察します。

対象となるのは、次のような情報です。

・業界の予測
・顧客ニーズの変化
・競合企業の動き
・原材料価格や人件費
・法律や制度
・新しい技術
・社員や組織の状態

経営層の観察では、目の前の一件だけでなく、その変化が会社全体へ与える影響を見ることが重要です。

Orient:状況判断をする

集めた情報から、自社を取り巻く状況がどうなっているかを判断します。

OODAループの中でも、特に重要な段階です。

例えば、競合が値下げを始めた場合でも、自社も同じように値下げすることが正解とは限りません。

自社の強み、顧客が選ぶ理由、利益への影響などが、これからの自社にどう影響を及ぼすか、判断しましょう。

判断するにあたって、これまで自社で実施した打ち手の結果がどうだったか、振り返ることも大切です。
うまくいっていることだけでなく、何か間違えたことはなかったか?を振り返りましょう。

Decide:方針と資源配分を決める

状況判断を踏まえ、会社としての次の一手を決めます。

経営層の意思決定は、現場の個別対応とは異なります。

ヒト・モノ・カネ・時間を、どこへ配分するかを決めることが中心です。

現場の最新の情報も吸い上げながら、現時点で最も妥当な方針を決めます。

Act:組織が動ける状態をつくる

決めた方針を各部門へ伝え、行動へ移します。

経営層にとってのActは、経営者自身が作業することだけではありません。
現場が動けるように、次の条件を整えることも含まれます。

・重点目標を明確にする
・部門の責任を決める
・必要な予算を配分する
・権限を渡す
・判断基準を共有する

行動後に得られた結果や現場の情報を、再び観察に戻ります。

やってみた結果を観察して修正し、次につなげていく。
これを素早く繰り返すことで、成果を生み出しやすくなります。

経営層と現場ではOODAループの使い方が違う

経営層と現場では、見る範囲とループを回す速さが異なります。

その違いを現したのが次の表です。

経営層と現場のOODAループ比較

 

現場は、顧客の反応やトラブルを見て、その場で対応します。

一方、経営層は現場から上がった情報をまとめ、市場全体や会社の将来を考えて方針を決めます。

この記事では、経営計画の達成がテーマであるため、ここからは経営層のOODAループに絞って解説します。

OODAループとPDCAの違い

OODAループPDCAは、どちらも行動と改善を繰り返す方法です。

ただし、出発点と得意な場面が異なります。

OODAループPDCAの違いを比較すると以下のようになります。

 

OODAループとPDCAの違いの比較表

PDCAは、PlanDoCheckActの順に、計画、実行、確認、改善を行います。
製造工程や毎月繰り返す業務など、一定の手順がある仕事に向いています。

一方、OODAループは、現在の状況を観察することから始まります。
変化が大きく、最初から正しい計画を立てにくい経営課題に活用しやすい方法です。

どちらか一方が、常に優れているわけではありません。

安定した業務はPDCAで改善し、変化の激しい経営課題はOODAで対応するという使い分けもできます。

経営計画の実行では、当初の計画を守ることが目的になってはいけません。
変化を観察し、計画と現実がずれていれば、行動を変えることが重要です。

参考:PDCAサイクルとOODAループ 厚生労働省

達成のキモは、早く作ってOODAループを回すこと

ここからは、私の独自の考えです。

変化が速く、複雑な現代では、最初から正解の経営計画を作ることは困難です。

経営計画の作成に時間をかけすぎると、完成した頃には市場の状況が変わっていることもあります。

そのため、経営計画は作るだけムダだと考えるようになりました。

しかし、今はAIを活用すれば、以前の数10倍の速度で経営計画を作ることができるようになりました。

経営層は、経営計画策定を通じて、会社が目指す姿や目標、重点課題を決めたうえで、OODAループを回します。

市場や顧客を観察し、自社への影響を考え、重点方針と資源配分を決め、組織を動かします。

行動によって新しい情報が得られたら、再び観察し、必要に応じて戦略を変えます。

経営計画は、未来を正確に当てる予言書ではありません。
会社が進む方向を示し、現実から学びながら、次の一手を考えるための道具です。

 

経営計画を実行に変えるOODAループの4つの手順

 

手順1.重点目標を決め、変化を観察する

最初に、今後3か月で達成したい重点目標を1~3個に絞ります。

そのうえで、目標に影響する顧客、市場、競合、自社の情報を観察します。

手順2.経営計画への影響を考える

集めた情報を見て、計画の前提が変わっていないかを確認します。

数字の良し悪しだけでなく、なぜ変化したのかを考えます。

事実と経営者の思い込みを分けることが重要です。

手順3.方針と資源配分を決める

次に何を優先するかを決めます。

同時に、人員、予算、時間をどこへ配分するかも決めます。

新しい施策は、小さく試せる範囲から始めましょう。

手順4.組織を動かし、再び観察する

決定した方針を、部門の責任と目標へ落とし込みます。

実行後は、結果と現場の反応を確認します。

うまくいかなかった場合も責任追及だけで終わらせず、新しく何が分かったかを次の判断へつなげます。

OODAループをOKRで組織へ実装する

ここまで紹介したOODAの4つの手順は、OKRを活用すると会社の仕組みとして実装しやすくなります。

中小企業では多くの場合、経営者が現場の判断まで担っています。
OODAループは、この「経営者が全判断を抱えている」状態を変え、経営層が与えた方針を基に、社員が現場で観察・判断・行動できる組織をつくる考え方です。
それを仕組みとして実装するのがOKRの役割です。

OKRとは、達成したい目標と、達成度を判断する具体的な成果をセットで決める目標管理の方法です。

まず、経営計画から、近々3か月の重点目標を設定します。

OKRでは毎月、数字と現場の変化を観察し、外部・内部の状況を判断し、次に行う行動を決めるミーティング(コンフィデンスミーティング)を行います。

OKRを使って目標を社員の行動に落とし込むことで、社員が自分で観察・判断・行動できる組織へ変わっていきます。

つまり、OKRは、目標を掲げるだけの仕組みではありません。
経営層の判断を社員の目標と行動へつなぎ、組織全体でOODAループを回すための実行の仕組みとして活用できます。

OKRの基本的な意味や設定方法は、OKRとは何か|中小企業向けに分かりやすく解説をご覧ください。

目標管理全体の考え方を比較したい方は、中小企業の目標管理とは|手法と実施手順も参考にしてください。

経営計画そのものの作成や、会社OKRへの落とし込みに課題がある場合は、【経営計画策定支援ページへの内部リンク】で支援内容をご確認ください。

まとめ|経営計画が達成できない原因を理解し実行に移す

経営計画を達成できない原因は、社員の努力不足だけではありません。

目標が行動や判断につながっていない、重要課題が絞られていない、市場の変化を確認していない、資源配分を見直していないといったマネジメントの問題があります。

重要なのは、完璧な経営計画を作ることではありません。
早く計画を作って、早く実行に移すことです。

そして、行動から得た情報を次の経営判断へつなげます。

OODAループを繰り返すことで、経営計画は変化に対応したものへ更新されます。

経営計画は、作って保管するための書類ではありません。
経営層がより良い判断を続け、会社を目指す方向へ動かすための仕組みとして活用しましょう。

よくある質問

OODAループとPDCAは、どちらが中小企業に向いていますか?

どちらか一方ではなく、課題に応じて使い分ける方法が適しています。

市場変化への対応や新規事業など、最初から正解を決めにくい課題にはOODAループが向いています。

製造工程や定型業務など、決めた手順を改善する課題にはPDCAが向いています。

OODAループを経営計画に使うにはどうすればよいですか?

まず経営計画の重点目標を1~3個に絞り、目標に影響する市場、顧客、競合、自社の情報を定期的に確認します。

その情報が計画へ与える影響を考え、方針と資源配分を決めて実行します。

実行後は結果を観察し、次の判断へつなげます。

OODAループとOKRはどう違いますか?

OODAループは、変化を観察して意思決定するための考え方です。

OKRは、会社の経営計画を部門や社員の目標と行動へつなぎ、組織全体で計画の達成を目指す目標管理の仕組みです。

経営層がOODAループで決めた方針を、OKRによって組織全体へ展開するという組み合わせができます。

経営計画を「社員が動く目標」へ変える

small-okrでは、経営計画を会社・部門・社員のOKRへ落とし込み、目標設定後の実行と振り返りまで支援しています。

計画はあるものの実行されていない会社や、変化に対応できる経営計画を作りたい経営者の方は、経営計画策定支援の内容をご確認ください。

 

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