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2026/07/01

経営目標の設定方法|目標を達成させる7つのステップ

経営目標の設定方法|目標を達成させる7つのステップ

 

経営目標を行動に落とし込む7段階の順番を説明した図

「今期の売上目標は10億円」

「営業利益率を5%にする」

「新規顧客を増やす」

このような経営目標を掲げたものの、社員の行動が変わらず、期末になって未達が判明する会社は少なくありません。

経営目標が達成されない大きな原因は、目標の数字が低いからでも、社員の努力が足りないからでもありません。

多くの場合、経営目標と日々の行動の間にある「達成までの道筋」が設計されていないことが原因です。

達成につながる経営目標を設定するには、次の順番で考える必要があります。

1.会社が実現したい将来像を明確にする
2.現状との差を把握する
3.経営目標を数値で設定する
4.顧客に提供する価値を決める
5.重要成功要因を絞り込む
6.KPIとOKRへ落とし込む
7.定期的に進捗を確認し、目標を修正する

この記事では、中小企業が経営目標を設定し、社員の行動へ落とし込む方法を具体的に解説します。

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経営目標とは、会社が実現したい状態を具体化したもの

経営目標とは、会社が将来実現したい状態を、期限や数値を含めて具体的に表したものです。

たとえば、次のような目標があります。

・3年後に売上高10億円を達成する
・営業利益率を3%から7%へ改善する
・新規事業の売上構成比を20%にする
・特定顧客への売上依存度を30%以下にする
・社員一人当たりの粗利益を20%向上させる

ただし、売上や利益の数字を掲げるだけでは、達成につながる経営目標にはなりません。

「どの顧客に、どのような価値を提供し、どの業務を変えることで、その数字を実現するのか」まで考える必要があります。

経営理念・経営方針・経営目標の違い

経営理念、経営方針、経営目標は、それぞれ役割が異なります。

その違いはそれぞれ次のように説明されます。

経営計画の構成要素を例も使って一覧にした表

理念だけでは、社員は何をすればよいか判断できません。

反対に、数字だけでは、その目標を達成する意味や優先順位が伝わりません。

理念、ビジョン、経営目標、行動目標を一つの流れとしてつなげることが重要です。

 

経営目標を設定しても達成できない5つの原因

経営目標を設定しても達成できない会社には、共通する原因があります。
前年実績に数字を上乗せしただけになっている、売上と利益という結果指標しか見ていない、目標が多すぎる、部門目標や社員の行動につながっていない、設定後の振り返りが行われていない——この5つです。

それぞれの原因を放置すると、どれだけ良い数字を掲げても現場は動きません。

原因の詳しい内容と、社員を責める前に見直すべき仕組みについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

なぜ目標を達成できないのか?目標未達成が続く7つの原因と改善の仕組み

ここから先は、目標を「立てる段階」で達成につながる形にするための具体的な手順を解説します。

 

達成につながる経営目標を設定する7つのステップ

ここからは、経営目標を設定する具体的な手順を説明します。

経営目標を行動に落とし込む7段階の順番を説明した図

ステップ1.経営理念と将来ビジョンを確認する

最初に確認するのは数字ではありません。

「自社は、誰に、どのような価値を提供する会社なのか」

「3年後や5年後に、どのような会社になりたいのか」

を明確にします。

たとえば、単に「売上10億円を目指す」と考えるのではなく、次のように将来像を描きます。

地域の製造業から、技術課題を最初に相談される会社になる。
価格競争から脱却し、高付加価値案件を中心とする事業構造へ転換する。

この将来像があることで、売上目標の意味と、選ぶべき戦略が明確になります。

ステップ2.外部環境と自社の現状を分析する

次に、目指す姿と現在地の差を確認します。

外部環境では、次のような項目を調べます。

・市場の将来性はどうか?
・顧客ニーズはどう変化しているか
・競合は何を強みにしているか
・技術や制度はどう変わるか
・原材料費や人件費はどう変化するか

自社については、まず財務分析で自社の財務の現状を分析します。
そのうえで、なぜその結果になっているか、次の項目を確認します。

・顧客別・商品別の売上と粗利益
・顧客から選ばれている理由
・競合と比較した強みと弱み
・人材と組織能力
・生産能力と業務プロセス

ただ強みや弱みを並べるだけで終わらせず、「どの課題を解決すれば、将来像に近づけるか」まで考えることが重要です。

ステップ3.3~5年後の財務目標を数値化する

将来像と現状との差が分かったら、3~5年後の財務目標を設定します。

代表的な財務目標として、売上高増加・市場占有率などの成長性に関する目標、粗利益率や営業利益率などの収益性に関する目標、自己資本比率や債務償還年数など財務安定性に関する目標、在庫回転期間や売掛金回収期間などの資産効率に関する目標があります。

売上が伸びても、在庫や売掛金が増え続ければ、資金繰りが苦しくなることがあるためです。

将来像を実現するための自社の課題を分析して目標を設定しましょう。

ステップ4.顧客に提供する独自の価値を決める

経営目標を達成するには、顧客から選ばれる理由が必要です。

ここでは、次の3点を明確にします。

1.誰を主要顧客とするのか
2.顧客のどのような課題を解決するのか
3.競合とは異なる価値をどう提供するのか

 

経営学の教科書などでよく取り上げられる事例に、サウスウエスト航空があります。

サウスウエスト航空は、短・中距離を移動する顧客に対し、低運賃、定刻運航、多便数という価値を提供し、LCC(格安航空会社)の先駆けとして40年以上の連続黒字という驚異的な実績をあげました。

その実現を支えたのが、使用機材の統一、短い折り返し時間、機内サービスの簡素化など、相互につながった複数の活動です。

機材の統一という一つの施策が、整備費や訓練費の削減だけでなく、折り返し時間の短縮や機材稼働率の向上にも貢献しています。

良い戦略は、一つの施策だけに依存していません。

複数の施策が組み合わさり、顧客価値、低コスト化、資産の有効活用へ同時に貢献します。

自社でも、単に「品質を高める」「営業を強化する」と考えるのではなく、複数の活動がどのようにつながるかを考える必要があります。

ステップ5.戦略マップで達成までの因果関係を描く

経営目標と具体的な活動をつなぐために有効なのが、BSCの戦略マップです。

戦略マップでは、目標を次の4つの視点に分けます。

戦略マップの視点を説明した図

 

たとえば、製造業が営業利益率を改善する場合は、次のような因果関係を描けます。

提案力を持つ技術者を育成する

顧客課題を把握する提案プロセスを確立する

高付加価値案件の受注比率が高まる

平均単価と粗利益率が上がる

このつながりが、戦略の仮説です。

戦略マップを作る目的は、きれいな図を作ることではありません。

「本当にこの取り組みを進めれば、経営目標へ近づくのか」を確認することです。

ステップ6.CSF、KPI、OKRへ落とし込む

戦略マップができたら、重要成功要因と測定指標を設定します。

CSFとは

CSFは、経営目標を達成するために、特に成功させなければならない重要な要因です。

先ほどの製造業の例では、次のようなものが考えられます。

・高付加価値商品の開発
・見積もり精度の向上
・不採算案件の削減
・生産リードタイムの短縮

すべての業務をCSFにしてはいけません。

戦略の成否を左右する、少数の重要項目に絞ります。

経営資源が限られる中小企業は、CSFを描きにくいことがあります。
そんなとき、私は財務分析から重要成功要因を逆算するというステップを挟みます。

ステップ2の財務分析と、ステップ3の財務目標のギャップのうち、最も改善余地が大きい項目を1~2選び、それを解消するCSFを経営者と一緒にAIも活用しながら考えます。

KPIとは

KPIは、CSFが計画どおり進んでいるかを確認するための指標です。

経営目標→CSF→KPIの関係を説明する表

KPIは、測れる数字を選ぶだけでは不十分です。

社員の行動によって変えられ、変化した結果として経営目標へ近づく指標を選びます。

OKRとは

OKRは、組織が実現したい状態を表すObjectiveと、その達成度を測るKey Resultsを組み合わせる目標設定方法です。

たとえば、次のように設定します。

Objective

価格競争から脱却し、顧客から技術提案を求められる会社になる

Key Results

・受注生産品の売上構成比を30%から45%へ高める
・技術提案型の商談件数を月5件から月10件へ増やす
・半年以内に新商品の試作品を重点顧客5社へ提案する

会社OKRの例を示した図

経営目標が最終的な成果を示すのに対し、OKRは、一定期間に組織が集中する変化を明確にするために使います。

会社の経営目標と、部門・チームのOKRをつなげることで、社員が「自分たちは何に集中するのか」を理解しやすくなります。

OKRについて詳しくは以下の記事でも説明しています。

OKRの意味・特徴・具体例

ステップ7.週次・月次・四半期で進捗を確認し、目標を修正する

経営目標は、設定して終わりではありません。

週次・月次ではKPIと行動の進捗を確認し、四半期では戦略の仮説や目標の設定そのものを振り返ります。

週次で確認すること

毎週、先週行ったことの振り返りと今週優先することを宣言し、チームで共有します。
リーダーは、メンバーの目標を評価し、必要がある場合はフィードバックや支援を行います。

月次で確認すること

目標を達成するために、簡単に解決できないことなどについて対話をし、より質の高い行動を引き出すための会議をチームで行います。
チームの中だけで解決できない内容は、上層部の会議に引き継ぎます。

四半期で確認すること

四半期改善ミーティングを行い、四半期で立てた目標と、結果とのギャップを明らかにし、必要がある場合は目標を修正します。
また、チームの運用面についても話し合い、改善できる点を改善します。

これらのミーティングで、未達だった社員や部門を責める場にすると、正確な報告が上がらなくなります。
レビューの目的は、責任追及ではありません。

目標と行動の因果関係を検証し、次の打ち手を改善することです。

経営計画作成支援の具体的な内容を見る

経営目標の設定に使えるSMARTの法則

経営目標を文章にするときは、SMARTの考え方で確認できます。

SMARTの法則の意味・確認することを説明する表の図

たとえば、「利益を増やす」という目標は曖昧です。

SMARTを使うと、次のように具体化できます。

2029年3月期までに、高付加価値商品の売上構成比を高め、営業利益率を現在の3%から7%へ改善する。

ただし、SMARTは目標の表現を整えるための確認方法です。

SMARTを満たしていても、戦略との因果関係がなければ、達成方法は分かりません。

「具体的な目標を作ること」と「達成できる戦略を作ること」は分けて考える必要があります。

なお、経営を大きく変える必要がある場合は、SMARTAは達成可能か(Attainable)ではなく、60~70%達成で十分な、野心的な目標(Ambitious)なものにするのが適切だと考えています。

変化が速く・不確実性が高い現代の経営環境において、現状の延長線上にある、達成可能性の高い目標ばかりでは、生き残っていくことはできません。

新規事業や新事業の開拓など、大きなチャレンジをすることが重要です。

経営目標を設定するときの5つの注意点

数字だけの目標になっている

経営目標は数字で表しますが、目標数字と現状とのギャップを埋める戦略が合っていないと目標は達成できません。

支援現場で目標設定の支援をしていると、例えば売上依存度が高い製造業では経営者が「新規顧客比率20%」のような目標を掲げるケースが多いでが、その目標を達成するには、CSFに「現場での提案型営業の確立」が設定されます。
こういった目標設定が散見されます。

目標数値を達成できる戦略は整合性があるのか?
具体的に何に取組むのか?
誰が、いつまでに、達成する責任があるか?

ここまで設定しないと、目標は達成されません。

KPIを増やしすぎない

経営目標達成のためにとKPIを増やしすぎると、優先順位が分からなくなり、労多くして成果があがりません。

KPIにすべき項目が多い場合は、経営目標の達成を左右するものに絞ったうえで、まず最初の3カ月どのKPIを達成すべきかの優先順位を決めましょう。

部門ごとに別々の目標を作らない

営業、製造、開発、管理などの各部門が、それぞれ独立した目標を作ると部分最適が起こります。

営業が短納期案件を大量に受注した結果、製造の残業と不良が増えることもあります。

会社全体の経営目標と戦略マップを共有したうえで、部門目標を設定し,共有します。

会社目標は、部門目標の全部が達成したときに、達成されます。
そのような部門目標になっていない場合は、部門目標を修正しましょう。

必達目標と挑戦目標を混同しない

資金繰りや最低利益など、必ず達成しなければならない目標があります。

一方で、新商品開発や事業変革など、不確実性の高い挑戦目標もあります。

両者を同じ基準で評価すると、社員は失敗を避けて低い目標を設定するようになります。

必達目標と挑戦目標は、目的と運用方法を分ける必要があります。

人事評価と目標管理を安易に一体化しない

目標の達成率をそのまま人事評価にすると、社員は達成しやすい目標を選ぶ可能性があります。

また、部門間の協力よりも、自分の数字を優先することがあります。

そうしてしまうと、結果的に「部門ごとに別々の目標」が作られてしまいます。

経営目標を実現するための目標管理と、社員の処遇を決める人事評価は、役割を整理して設計することが重要です。

経営目標設定チェックリスト

経営目標を決定する前に、次の項目を確認してください。

・経営理念やビジョンとつながっているか
・ターゲットや顧客と、顧客へ提供する価値が明確か
・現状値と目標値の差を把握しているか
・目標値の根拠を説明できるか
・達成期限が決まっているか
・達成に必要なCSFが絞られているか
・KPIが社員の行動とつながっているか
・部門間の目標に矛盾がないか
・定期的に戦略を見直す場があるか

チェックが多く付かない場合は、経営目標を発表する前に、達成までの道筋を見直す必要があります。

まとめ|経営目標は「数字」ではなく「達成の仕組み」まで設定する

経営目標の設定で重要なのは、売上や利益の数字を決めることだけではありません。

達成につながる経営目標は、次の流れで設定します。

1.経営理念と将来ビジョンを明確にする
2.外部環境と自社の現状を分析する
3.3~5年後の経営目標を数値化する
4.ターゲット顧客と提供価値を決める
5.戦略マップで因果関係を描く
6.CSF、KPI、OKRへ落とし込む
7.月次・四半期で検証と修正を続ける

経営目標は、経営者だけが知るべき数字ではありません。

社員が「何を優先し、何を変えれば会社の目標に貢献できるのか」を判断するための共通言語です。

経営目標を達成したいのであれば、目標値だけでなく、戦略、指標、行動、レビューまでを一つの仕組みとして設計することが重要です。

よくある質問

経営目標は何年先まで設定すればよいですか?

中長期の方向性は3~5年、具体的な実行目標は1年、重点的な取り組みは四半期単位で設定するのが一つの方法です。

将来の不確実性が高いため、長期になるほど細かな行動まで固定せず、方向性と到達したい状態を中心に設定します。

KPIはいくつ設定すればよいですか?

一律の正解はありませんが、経営会議で継続的に確認できる数に絞ることが重要です。

測れる数字をすべて管理するのではなく、経営目標の達成を左右する指標を選びます。

経営目標を社員へ浸透させるにはどうすればよいですか?

経営目標の数字だけでなく、設定した背景、顧客へ提供する価値、達成までの因果関係を説明します。

そのうえで、会社目標を部門やチームの目標へ展開し、定期的に進捗を共有する仕組みが必要です。

経営目標が未達になった場合は変更してもよいですか?

前提条件が変化した場合や、戦略の仮説が誤っていた場合は見直すべきです。

ただし、達成が難しいという理由だけで安易に下げるのではなく、未達の原因が行動不足なのか、指標の誤りなのか、戦略の誤りなのかを確認してから判断します。

経営目標の設定を専門家へ相談する判断基準はありますか?

経営目標の数値は決められても、戦略、部門目標、KPI、行動計画へ落とし込めない場合は、外部支援を検討する余地があります。

経営者と幹部で目標への認識が異なる場合や、毎年同じ目標を掲げながら未達が続いている場合も、設定過程を見直す必要があります。

経営目標を「社員が動ける目標」へ変えませんか?

経営目標の設定で本当に難しいのは、
目標の数字を決めることではありません。

会社のビジョンから戦略を組み立て、
部門と社員が動ける目標へ落とし込むことです。

経営計画がまだない場合は計画作成から、
すでに計画がある場合はOKRへの展開から、
会社の状況に合わせて整理します。

経営目標の設定についての相談については下記よりお問い合わせください。

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記事作成者

山内聖堂

2011年の税理士登録後、事業計画策定支援コンサルティングを開始するも、事業計画を達成できない企業があるジレンマに悩み、組織開発コンサルティングへと軸足を移す。
近年では、組織の共通の目標に向かって、従業員がそれぞれの強みを活かして働く「しくみ」であるOKRの導入コンサルティングに力を注いでいる。

現在1on1マネジメントスクール内で、経営者・経営コンサルタント向けにOKR講師養成塾の講師を行っている。
https://1on1cs.jp/course/#okr

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2024/07/14

目標管理とは。手法やメリットを分かりやすく説明|中小企業に最適な目標管理okr

目標管理とは

目標管理は、
組織目標を達成するための組織マネジメントの手法です。

目標管理をうまく機能させると、
業績向上や人材育成、従業員のモチベーション向上などの効果があります。

一方で、中小企業においては、適正な目標設定や、評価とフィードバックをできる人材が社内に不足しているという課題があります。

目標管理の実施手順

会社全体の目標に沿った目標を設定する

まず、組織全体の目標を明確にします。

会社のミッション・ビジョン・バリュ-や、中期経営計画と整合性が取れる目標を立てます。

次に、上司と部下で話し合って、組織の目標に沿った個人目標を立てます。

期間に応じた実現可能性を意識して、適切な目標を設定します。

実行計画を立てる

目標を達成するための、具体的なアクションプランを作成します。

目標を達成するためのリソースのギャップを明確にし、どのような行動やサポートが必要かを具体化します。

スプレッドシートや専用ツールなどで目標管理シートを作成して、いつでも目標を確認できるようにします。

実行する

計画に基づいて行動を開始します。

各自が目標管理シートを定期的に確認し、目標達成のための行動を実行します。

モニタリングとフィードバック

目標管理シートや定期的なミーティングなどで、目標の達成状況を監視します。

上司は、達成状況に基づいてフィードバックを行い、改善点を見つけて目標達成を目指します。

評価し、改善する

目標の期日になったら、上司と部下で達成状況の振り返りを行います。

目標達成に至るまでの成果と行動を共有し、360度評価などを行いフィードバックを行います。

評価やフィードバックに基づいて、次の期間の目標や実行計画を考えます。

目標管理はの効果は、振り返りを繰り返すことにより効果が高まります。

 

目標管理の手法

MBO

日本において「目標管理」といえば伝統的に
MBO(Management By Objectives and Self Control)
のことを言います。

MBOは、1954年にピーター・ドラッカーが、著書「現代の経営」の中で提唱した目標管理手法です。

MBOでは、上司と部下で目標を共有して管理を行います。

日本では、主に社員の評価のために導入が進んでおり必達目標の達成を目指す制度となっています。

OKR

一方で近年、日本においてもOKRという目標管理制度の導入が進んでいます。

OKRは、MBOの限界を克服しようとしたインテルで生まれました。

OKRとは、
Objectives and Key Results(目標と主要な結果)」
の略称です。

OKRでは、「達成目標(Objectives 以下O)」と、
その達成度を測る「主要な成果(Key Results以下KR)」
の2つの要素で目標を設定します。

OKRでは、企業が目指すべき目標と社員一人ひとりの目標をリンクさせることにより、すべての社員が一丸となって同じ重要課題に取り組みます。

OKRは、組織全体で高い目標を実現するための目標管理制度です。

MBOとOKRの比較

MBO

MBOの特徴

MBOは、従業員が自ら目標を設定し、その達成に向けて自己管理を行う目標管理制度です。

1954年にピーター・F・ドラッカーにより提唱されました。

日本では、1990年代後半から広がり始め、人事評価制度とともに運用されることが多くなっています。

目標達成の期間は基本的には1年単位で行われ、目標は、上司と部下の間でのみ共有されます。

日本では、人事評価の一環としてMBOが運用されるため、
目標に対する上司のフィードバックは年2回以下が主流となっています。

目標はSMARTの原則に則って設定します。
SMARTは、以下の要素で成り立っています。

1.具体的であるか(Specific)
誰が見ても分かるよう、明確がつ具体的であること。

2.測定可能であるか(Measurable)
量で測れること。検証が可能であること。
検証可能であるからこそ、必要に応じて目標の修正が可能です。

3.達成可能か(Attainable)
一定期間内に達成可能で現実的であること。

4.目的に沿っているか(Relevant)
戦略実現の目的に合った目標であること。
自分が所属する部署の目標、会社の戦略・方針に合っているかを確認します。

5.具体的な期間か(Time-bound)
達成期間が限定され、期間が決まっていること。

SMART目標

MBOのメリット

MBOのメリットとして、一般的に次の3点が挙げられます。

目標の明確化

MBOでは、具体的な目標が設定されるため、従業員は自分の業務の優先順位を明確にし、効率的に業務を進めることができます。

動機づけとエンゲージメントの向上

目標が明確であると、自分の役割や貢献が明確になり、達成感を感じやすくなります。
これにより、モチベーションが向上し、会社へのエンゲージメントも高まります。

客観的な評価制度の構築

具体的な目標に基づいて社員の成果を評価することで、公平で客観的な測定が可能になります。
目標が達成できなかった場合でも、達成率と達成内容で従業員の取組を評価することができます。

上司と共有した個人目標に基づき評価されるため、従業員の満足度が高まります。

 

MBOの課題

個人の才能に依存した目標管理

MBOは、目標を自己管理するしくみです。

そのため、個人の才能の違いにより
・会社目標に対して適切な目標が設定できない。
・細かく進捗管理ができない。
・目標を達成するためのリソースがどこにあるか分からない。

などといった課題が生じます。

また、目標が人事評価に紐づけられるため、簡単に達成可能な目標を設定する傾向が高くなり、従業員の成長につながらないことがあります。

柔軟性の欠如

MBOは通常、年度ごとに目標を設定し評価しますが、現代のように急速に変化するビジネス環境においては、年度単位の目標では、変化に適応できない場合があります。

また、フィードバック面談の回数が少ないため、目標管理がうまくいっていない場合、挽回のタイミングが遅きに失するときがあります。

評価の公平性と信頼性

目標達成度に基づく評価が主観的になりがちで、公平性や信頼性に疑問が生じることがあります。

上司の評価基準や評価方法が明確でない場合、部下のモチベーション低下や不満の原因となることがあります。

 

OKR

OKRの特徴

OKRとは、「Objectives and Key Results(目標と主要な結果)」の略称です。

OKRでは、「達成目標(Objectives 以下O)」と
その達成度を測る「主要な成果(Key Results以下KR)」を設定します。

OKRは、個人の目標が会社全体で共有される目標管理制度です。

会社全体の目標に対して、誰がどんな目標に責任を負っているかが分かるため、他者や他部門の協力が得やすいという特徴があります。

OKRでは基本的に60%~70%の達成でよしとするチャレンジ目標を立てることが推奨されます。
このような目標を「ムーンショット目標」と言います。

ムーンショット目標もSMARTの原則に則って設定しますが、AはAmbitiousに変更して設定することが推奨されます。

1.具体的であるか(Specific)
明確で、「5W1H」がクリアになっていること。

2.測定可能であるか(Measurable)
量で測れること。検証が可能であること。
検証可能であるからこそ、必要に応じて目標の修正が可能です。

3.野心的か(Ambitious)
60~70%達成で十分な、野心的な目標であること。

4.目的に沿っているか(Relevant)
戦略実現の目的に合った目標であること。
自分が所属する部署の目標、会社の戦略・方針に合っているかを確認します。

5.具体的な期間か(Time-bound)
達成期間が限定され、期間が決まっていること。

OKRツリー図

OKRのメリット

目標の共有と果たすべき役割の明確化

これからの1年間(または3カ月)で最も重要なことは何か?

会社のビジョン実現のために最も重要なことは、会社の目標達成のために日々の業務が行われることです。

OKRは、会社全体の限られた重要目標に対して、
チームやひとり一人の責任や目標が明確で、その目標は全体で共有されるため、個人のやることが明確化され、目標に集中することができます。

目標の共有により、従業員の判断基準も明確化されるため、
従業員が会社の目標に沿って、自立的に行動できるようになります。

 

コミュニケーションの活性化

OKRは透明性の高い目標管理制度です。

職場では、上司が何をしているか。
自分の仕事がどのように上司の目標達成につながっているか。

ということを自然と意識するため、
目標達成のためのコミュニケーションが活性化します。

 

OKRでは、会社の目標を達成するために、どこの部門の誰が、どのような目標に取り組んでいるかが明らかになります。

ムーンショット目標を達成するために、会社のあちこちで、同じような仕事をする人が増えることを防ぎます。

目標達成のために部門間が協力することによって組織の目標達成能力が高まります。

 

大きな成果をあげることができる

OKRでは、基本的に高い目標(ムーンショット目標)に挑むことが推奨されています。

OKRで継続的にムーンショット目標に挑むため、
社員が経験から学んで成長し、一人ひとりの目標を達成する能力が高まります。

OKRは、限られた目標に集中し、他者との協力を得ながら、毎週目標の進捗をチームで共有するしくみです。

しくみの中で管理職のマネジメント能力が向上し、組織として大きな成果をあげることができます。

 

OKRの課題

組織文化の変革が必要な場合がある

OKRは、高い目標に挑む目標管理制度だが、高すぎる目標が「必達目標」となると、
会計偽装や性能試験の不正というような、近年日本の大企業で頻発する組織問題を引き起こします。

もともと実現が難しい目標に挑んでいるため、失敗や遅れを許し、サポートする組織文化の醸成が必要です。

人事評価と結びつけることが難しい

OKRを人事評価に結びつけると、従業員は達成可能な低い目標を設定するようになります。

そうなった場合、高い目標に挑むOKRの効果が発揮されません。

 

社員の反発を招く場合がある。

中小企業が新たにOKRを導入する場合、管理職を中心に負荷が一気に高まるため、導入に反発し、目標管理を行わない可能性があります。

経営TOPが必要性を伝えて、自ら率先垂範してOKRに取り組む必要があります。

 

成長する中小企業の目標管理にOKR導入がおすすめする理由

目標管理は、組織目標を達成するための組織マネジメントの手法です。

日本で主に導入されている目標管理は、
人事評価に紐づいて運用されることが多いMBOと、
高い成長を実現するための目標管理OKRの2つがあります。

中小企業が成長するにつれて、

・ビジョンが浸透しないことによる意思決定速度の低下
・効率的なタスク配分ができないことによる生産性の低下
・組織間のコミュニケーションの課題
・管理職をはじめとする人材開発の課題

といった経営上の課題が次々に生じます。

中小企業の場合、OKRの階層は多くて3階層で済むため、導入スピードが速いメリットがあります。

また、組織全体の目標にたいする適切な目標設定も、大企業ほど難しくありません。

中小企業がOKRを導入すれば、管理職のマネジメント能力を上げながらながら、成長を続けることが可能です。

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